ベートーベン(諸井三郎著/新潮文庫)
上京する際に飛行機の中など暇な時読もうと思い、軽くて小さい本を実家の山積みの本の中から見つけ持参しました。なぜ、この本にしたのか。
元はというと、高齢で施設にいた母が調子が悪くなり入院してテレビを見る元気もないので、さて・・・と考え思いついたのが、CD。以前、母がエンディングノートに好きな音楽は「バッハのバイオリンの曲」と書いていたのを思い出し、ちょうど東京に行ったのでその際にバッハのバイオリン協奏曲を中古レコショップで購入して、CDプレーヤーも購入して退院した介護施設に持ち込みました。その後、昔のレコードがまだあるので購入していたプレーヤーで聞き返しながら、録音して母に聞かせたらどうだろうと、以前母と聞いた記憶があるベートーベンの「田園」をCDに焼いて持って行ってプレーヤーにかけたら音が出ない。他のCDもErr表示になってしまいました。新しいプレーヤーを手に入れて、なんとかバッハは聞けるようになったけれど録音した田園でまた壊れるのでは、それではまた上京した時にショップで中古をと思い、先日また上京した時に中古CDの「田園」を手に入れました。
話が長くなりましたが、そんなベートーベンの伝記が家で見つかったので読んでみました。
ベートーベンは1770年ドイツ生まれ。子どもの時からピアノ演奏家として秀でた才能を発揮。その後10代で作曲を始めウイーンに移住してハイドンに支持。1756年生まれのモーツアルト全盛期と重なります。1789年フランス革命、その後ナポレオン登場など封建制から自由主義に大きく世の中が変化する時期に重なり活動に大きな影響を受けます。1800年前ごろから聴覚をほぼ失い、失意に陥りますが、その後交響曲第3番「英雄」、第5番「運命」、第6番「田園」、第9番など偉大な作曲を成し遂げます。
不思議なもので、母の不調がこの本「ベートーベン」に繋がりました。
ちなみに、「田園」は英訳すると「country side」。日本は田んぼの風景で、ウイーンなら麦畑でしょうか。ベートーベンによれば、曲は風景そのものではなく田舎の雰囲気だそうです。
ベートーベンのデスマスクは有名ですが、死の間際に友人に「諸君喝采したまえ、喜劇は終わった。」と言ったそうで、苦難に満ちた人生の大作曲家ベートーベンの心の内を表しています。彼は生涯人付き合いがうまくなかったようですが、現実には描けなかった彼の理想の世界は彼が作り出した音楽の中で完成されたのかもしれません。
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