2024年3月31日日曜日

四人の妻

 2月にチェンマイから熊本に戻ってきて、閉じていた阿蘇の民泊の3月からのオープンの準備や、タイの料理教室で習った料理の実践や、たまたま体験したタイマッサージに興味が沸き活動を始めたことなどで慌ただしく2ヶ月が過ぎました。

今月は2018年から翌年にかけて一年間学んだ東京国際仏教塾の式典があるので講演を聞いて塾の同窓と久しぶりに会う予定にしています。仏教塾は、会社を定年退職したら仏教を学ぼうという主旨の元、宗派を問わず仏教を学ぶ学校です。私は半年間は仏教総論を学び、後半は曹洞宗のコースに参加しました。今年も4月から新年度の講義が始まります。

私の曹洞宗コースの先生は曹洞宗の教化部長や大学の講師、お寺の住職など歴任され、多くの仏教関連の出版もされた中野東禅師で、私は2020年に塾卒業の後、師から秋雲昭道という戒名をいただきました。

ちなみにタイも仏教国ですが、信徒の多くは大乗仏教の日本と異なり、ほとんどが上座部仏教(小乗仏教)信徒です。何が違うのか?いろいろ言われていますが、私が思うところ、①お坊さんは私物(財産)を持たない。②食事は信徒から宅鉢のときにいただくお布施の食事で1日に1回のみ。③国民からとても尊敬されている。④子どもたちの多くがお坊さんの修行をする。など日本と違いがあります。私はタイの国民のほうに日本より道徳心を感じるのはこの違いのせいではないかと思っています。

これもちなみに、タイの人は死んだら人間かそうでなければネズミやミミズに生まれ変わると思っており(輪廻転生)、遺骨(灰)はお寺に納めるか散骨するなどで遺骨を代々墓に納める習慣がありません。私はあの世のことは死んだことがないのでわかりませんが、輪廻転生するのかはともかくタイの習慣はいいなと思っています。少子化、未婚が多い今の世の中、墓はどうする?など悩まなくて済みますから。

話がそれましたが、「四人の妻」中野先生の講話の中で時々出てきます。今はどうかわかりませんが以前アラブやアフリカで複数の奥さんを持っていいという習慣があり夫が亡くなるときその妻たちに一緒に行ってくれないかと尋ねたそうです。一人目の妻は無理だと答え、二人目も三人目も断りました。四人目の妻だけが一緒に参りますと答えたそうです。一人目の妻は夫の財産、二人目の妻は夫の肉体、三人目の妻は本物の妻、四人目は夫の心のたとえだそうです。自分の財産も肉体も奥さんも一緒について行くことはできない。お釈迦様が語られたお話だそうです。死んで連れて行けない無常なもの、そんなものに執着して悩んでも仕方が無いという教えですね。

中野先生はご健在ですが、いろいろと教えをくださった多くの先輩方はもう亡くなられました。今は先輩方々から教えていただいたことをあらためて見直しています。2500年あまりの歴史の中で培われた仏教の教えには歳をとって生きている今ならばこそ学ぶものが多くあります。


2024年3月17日日曜日

本 万病に効く 足裏マッサージ(呉若石・鄭英吉共著)

 万病に効く足裏マッサージ(呉若石・鄭英吉共著/マキノ出版)


1月にタイのチェンマイに行ったときに、宿で一緒だった日本人たちがチェンマイのマッサージ学校に通っており、いろいろな話を聞き私も刺激を受けました。タイ古式のトクセンや、ハーブボールなどの施術も体験してきました。今後はもっと詳しく知りたいと思っています。

熊本市図書館で見つけた本です。足裏に限るマッサージですが、足裏だけでも奥が深い。自分の手が届く範囲のマッサージなので自分でも施術できる。

なぜ足裏で体の健康具合がわかるのか?この本は、台湾で足裏健康を広めた呉若石神父の健康法の本です。呉神父は台湾で布教活動を行ったスイス出身の神父で、古くはインドや中国のツボの治療法の研究を知り、自ら台湾で施術を行い確立したマッサージ法を紹介しています。なぜ、足裏で体の健康具合がわかるのか?生命エネルギーである気の通り道である経絡(けいらく)が体を巡っており、それにより体の健康具合が足裏に現れるとのこと。痛みとして現れるのだが、痛みの強さが単純に病気の悪さに比例しているのではなく、体調や病気により施術を控えなければならないなどの注意点も書かれています。

体の部位別に反射区や施術による適応症が書かれており、特に自分に関わりがあるところは興味をそそりました。これから、予防も兼ねて足裏を揉んでみたいと思います。

2024年3月14日木曜日

タイ古式 トクセンの縁

 トクセン。聞き慣れない言葉だと思いますが、タイ伝統の古式マッサージのひとつです。


タイのマッサージの歴史は古く2500年前、お釈迦様の主治医と伝わるシワカ・コマラパ医師が創始者だと言われています。日本の禅宗や密教のお寺に伝わる涅槃図(お釈迦様が亡くなるときを描いた絵)に、お釈迦様の足裏を触っている古老の医師として描かれているものを見かけます。

タイ古式と言えば、ワット・ポーを本山とするストレッチ式のマッサージが有名ですが、北方タイのチェンマイに約1000年前に建国されたスコタイ王国に伝わる施術です。最近はバンコクでも見かける人気があるマッサージです。

なんといっても特徴は、木槌と杭。施術中にコーンコーンと杭を木槌で叩く音が印象的。杭からの振動が筋肉の奥まで届くと言い、腱や神経にも刺激を与えられると言います。


私は2月にタイのチェンマイでトクセンの1日レッスンを受講しました。1日だけではほんのさわり程度だと思いますが、コーンコーンとリズミカルな振動が体の奥に届いてきます。叩き方によるのでしょうが、痛くはありませんでした。私も先生の体をお借りして施術のまねごとをしました。レッスン後には木槌と杭を1本ずついただきました。さあこれで日本に帰って練習です。


日本に戻って、チェンマイで同宿で2週にわたりチェンマイの学校に通っていたハリー氏(鍼灸師なのでハリーさんと呼ばれていた。)を訪ね、フェイストクセンを施術してもらいました。リズミカルにトクセンが顔面を巡ります。もちろん、体全体を叩く道具よりも小さなサイズでした。チェンマイでフェイスマッサージを受けたとき、心地よさに眠ってしまったのですが、今回は会話しながらの施術だったのですが同じような心地よさでした。


ハリー氏から熊本のトクセンを施術する人を紹介してもらいました。サガリバナ熊本のKさん。熊本に戻って予約をして訪ねました。北区麻生田のAAカフェの一室。1人分の施術スペース。トクセンをメインにたっぷり揉んで叩いていただきました。会話の話題は、トクセンは何に効果があるのか?私は筋肉を叩いて筋肉をほぐしていると最初考えていましたが、彼女の説明では筋肉を包んでいる筋膜をほぐしているとのこと。筋膜をほぐすことで、付着している神経が発する痛みを和らげるらしい。叩くポイントはセン。中国式で言う経絡。センは細かいものまで入れると7万以上あるといいます。トクセンではその代表的なセンに沿って叩きます。


施術中うつ伏せの状態で鼻が詰まりました。鼻から息が出来ず、口呼吸のみ。今までマッサージを受けていてこのようになったのは初めて。帰ってネットで調べてみると、うつ伏せで頭の血が下側の鼻にも集まり血管が膨張したため、施術を受けリラックスして鼻甲介が膨張したためなど書いてありました。トクセンを受けてリラックスしていた証かもしれません。

Kさんと話をして気づいたのは、体が痛くなってから施術を受けに来るのではなくて、そうなる前に予防を兼ねて施術してもらうこと。タイではマッサージを受けに行く人が圧倒的に日本より多いとのこと。週に一度は通う。仲間と施術し合う、そんな光景を私もしばしばチェンマイの滞在で見てきました。Kさんに言われたのが、私の膝の皿が少し外側にずれているとのこと。このままだといずれ膝が痛くなるらしい。スクワットなどで内側の腿の筋肉を日頃から鍛えるように勧められました。まさに予防で病気を防ぐ。


チェンマイに1~2月に行ったことで、トクセンが縁で貴重な経験と人とのつながりをいただきました。これからそのトクセンの縁を広げ深めていきたいと思います。

2024年3月5日火曜日

本 メディカル・タイマッサージ入門(大槻一博著)

 メディカル・タイマッサージ入門(大槻一博著/BABジャパン)


先日、滋賀県の鍼灸師ハリー氏に会ったときに勧められたタイマッサージの本。

私がチェンマイに行ったときにタイマッサージ学校のことで参加者に教えてもらったことが、その学校の授業は実践が主で理論はあまり習わないということ。授業も英語がメインで片言の日本語混じり。

私がタイ古式マッサージのトークセン1日コースに参加したとき、タイマッサージの基本を勉強したことがなかったので、基本がわかって無くて先生に少し呆れられてしまい、事前に基本を知るのに何か良い方法がないかハリー氏に尋ねた際に教えてくれた本です。早速ネットで購入しました。

写真解説付きで骨格や筋肉の図もあり、科学的に紹介されています。トークセンやルーシーダットンが詳しく紹介されているのもうれしい。これからいろいろタイマッサージを学んでみようと思いますが入門には役立つ本でした。

2024年3月2日土曜日

大阪・滋賀一泊二日の弾丸旅

 先日、関西に弾丸ツアーしてきました。そもそもの目的は、大阪アベノハルカスで開催中の円空展を見ることで、併せて、計画中の住宅の件で妹に相談、タイのチェンマイで知り合った鍼灸師のハリー氏(私たちはそう呼んでいた)に会ってきました。

2月29日、12:25熊本空港発のanaで大阪・伊丹空港へ。アベノハルカスまでは あべの橋行きの直行バスがありました。

円空展は平日でもあり結構ガラガラ。円空は江戸時代初期の仏像彫り師で修験者。一生で12万体の仏像を彫ったと記録に残り、現在でも5,000体以上が確認されています。もちろん3m近くもある大仏像から数センチの木っ端(材木の切れ端)を削って作った仏まで大小様々。東日本を修行の旅をしながら、食事と宿のお礼で仏様を彫って残して行ったそうです。

熊本からようこそー

悪いやつはおらんかー

お元気でしたか







みんな、誰かに似ているな

円空さんが彫った仏様の顔がいい。微笑んでいたり、怒っているのもどこかやさしい。私が円空さんに最初に出会ったのは熊本地震が起きた2016年。本屋でスラムダンクやバカボンドの作者・井上雄彦の「円空を旅する」というエッセーを見つけてからです。井上さんは熊本大学出なので関心がありました。この本で円空仏に惚れ込み、早速円空さん(仏像)に会いに名古屋空港に飛んで岐阜・飛騨を回りました。そのときに洞戸の円空記念館だったでしょうか、受付の方が「いい人を紹介してあげる」といきなり携帯をかけて私が話をした方が、円空学会元理事長の長谷川公茂さんでした。その後愛知県に住む長谷川さんを訪ねて色々お話を伺い、円空仏のパネルをお借りして熊本で円空仏の写真展を開かせてもらったりしましたが残念ながら昨年お亡くなりになりました。

今回の話に戻ります。29日はまず図録を購入して、いったんカフェに入り目を通した後に会場の中へ。「久しぶりですね」や「初めまして」と仏像に挨拶。一時間ほど見た後に外へ。次は梅田の西村珈琲。外はあいにくの雨。傘を差して、不慣れな大阪・梅田の街。駅の地下街でたこ焼きとビールで小休止。その後なぜかGoogleマップがうまく誘導してくれず(使う私に問題?)駅から10分ほどの場所まで30分以上でやっとたどり着き、珈琲で温まって目的のプリンを購入して本日最後の目的地・妹の家へ。

翌日の3月1日は8時に大阪の家を出発。大阪駅からJRでまずは彦根に向かって大阪駅から野洲行きの新快速に乗りました。最初は彦根城を見て11時に約束の南彦根に行くつもりでしたが、野洲の接続が悪く30分以上待って乗ったので、城に行ったのでは待ち合わせの時間に間に合わなくなり直接待ち合わせの南箱根へ。ランチは鍼灸師のハリー氏とspoonという無添加にこだわるレストランで。ハーブティーがたくさんの種類が飲み放題で、オムライスとケーキ盛り合わせで2,800円とまれに見る三時間に及ぶ贅沢ランチ。そのあとは、ハリー氏の近江八幡の診療所でマッサージ体験学習。タイマッサージから鍼灸のことまでたっぷり話をしました。





帰りは16時36分の新快速で大阪に向かったのですが、あまりにお茶を飲み過ぎて尿意を催し、京都駅で途中下車。次の電車に乗車後も大阪駅でトイレに駆け込む事態。梅田から阪急宝塚線で蛍池駅乗り継ぎモノレールで伊丹空港。空港内でダイヤモンドカレーを食べ、なんとか19:40発anaに乗り込み熊本へ帰りました。

短い一泊二日の旅でしたが、これからやろうとしていることの参考になる知恵や情報がたくさん得られた有意義な旅でした。皆さんお世話になりました。

本 普段着の住宅術(中村好文著)

 普段着の住宅術(中村好文著/王国社)


先日、大阪に住んで建築設計事務所をしている妹を訪ねて、今計画をしている住宅の相談をしてきました。計画中の住宅は、民泊にも賃貸も可能な仕様を考えていて、予算も限りがあるので制約は多いのですが、今まで南阿蘇で民泊を4年営んできた経験を生かしたことをやりたい思いがあり、実現できればいいなと思って進めています。

さて、妹から参考にと借りてきたこの本、まさにコンパクトな家づくりの参考になる本でした。

著者の中村好文さんは建築家で、古民家・納屋の改修、薪ストーブ、小屋、ツリーハウス、手作り家具など私が興味があるキーワードが次から次と出てきて、私の家づくりの参考にとてもなる本でした。

浅草の1日

  4月19日に、私が2020年に卒業した東京国際仏教塾の本年度の開校式と閉校式が行われ、記念講演を拝聴するために上京しました。 講演が終わり、久しぶりに同窓生と懇親会。浅草へ。 待ち合わせの雷門下、観光客でごった返し。浅草寺にお参り、熱心にお参りする外国人観光客。 合流して私が...