2024年3月14日木曜日

タイ古式 トクセンの縁

 トクセン。聞き慣れない言葉だと思いますが、タイ伝統の古式マッサージのひとつです。


タイのマッサージの歴史は古く2500年前、お釈迦様の主治医と伝わるシワカ・コマラパ医師が創始者だと言われています。日本の禅宗や密教のお寺に伝わる涅槃図(お釈迦様が亡くなるときを描いた絵)に、お釈迦様の足裏を触っている古老の医師として描かれているものを見かけます。

タイ古式と言えば、ワット・ポーを本山とするストレッチ式のマッサージが有名ですが、北方タイのチェンマイに約1000年前に建国されたスコタイ王国に伝わる施術です。最近はバンコクでも見かける人気があるマッサージです。

なんといっても特徴は、木槌と杭。施術中にコーンコーンと杭を木槌で叩く音が印象的。杭からの振動が筋肉の奥まで届くと言い、腱や神経にも刺激を与えられると言います。


私は2月にタイのチェンマイでトクセンの1日レッスンを受講しました。1日だけではほんのさわり程度だと思いますが、コーンコーンとリズミカルな振動が体の奥に届いてきます。叩き方によるのでしょうが、痛くはありませんでした。私も先生の体をお借りして施術のまねごとをしました。レッスン後には木槌と杭を1本ずついただきました。さあこれで日本に帰って練習です。


日本に戻って、チェンマイで同宿で2週にわたりチェンマイの学校に通っていたハリー氏(鍼灸師なのでハリーさんと呼ばれていた。)を訪ね、フェイストクセンを施術してもらいました。リズミカルにトクセンが顔面を巡ります。もちろん、体全体を叩く道具よりも小さなサイズでした。チェンマイでフェイスマッサージを受けたとき、心地よさに眠ってしまったのですが、今回は会話しながらの施術だったのですが同じような心地よさでした。


ハリー氏から熊本のトクセンを施術する人を紹介してもらいました。サガリバナ熊本のKさん。熊本に戻って予約をして訪ねました。北区麻生田のAAカフェの一室。1人分の施術スペース。トクセンをメインにたっぷり揉んで叩いていただきました。会話の話題は、トクセンは何に効果があるのか?私は筋肉を叩いて筋肉をほぐしていると最初考えていましたが、彼女の説明では筋肉を包んでいる筋膜をほぐしているとのこと。筋膜をほぐすことで、付着している神経が発する痛みを和らげるらしい。叩くポイントはセン。中国式で言う経絡。センは細かいものまで入れると7万以上あるといいます。トクセンではその代表的なセンに沿って叩きます。


施術中うつ伏せの状態で鼻が詰まりました。鼻から息が出来ず、口呼吸のみ。今までマッサージを受けていてこのようになったのは初めて。帰ってネットで調べてみると、うつ伏せで頭の血が下側の鼻にも集まり血管が膨張したため、施術を受けリラックスして鼻甲介が膨張したためなど書いてありました。トクセンを受けてリラックスしていた証かもしれません。

Kさんと話をして気づいたのは、体が痛くなってから施術を受けに来るのではなくて、そうなる前に予防を兼ねて施術してもらうこと。タイではマッサージを受けに行く人が圧倒的に日本より多いとのこと。週に一度は通う。仲間と施術し合う、そんな光景を私もしばしばチェンマイの滞在で見てきました。Kさんに言われたのが、私の膝の皿が少し外側にずれているとのこと。このままだといずれ膝が痛くなるらしい。スクワットなどで内側の腿の筋肉を日頃から鍛えるように勧められました。まさに予防で病気を防ぐ。


チェンマイに1~2月に行ったことで、トクセンが縁で貴重な経験と人とのつながりをいただきました。これからそのトクセンの縁を広げ深めていきたいと思います。

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