2022年8月26日金曜日

本 幸福論(寺山修司)

 幸福論 (寺山修司/角川文庫)



寺山修司(1935-1983)青森県三沢市出身。歌人、シナリオライター、映画監督、劇作家、劇団主宰者。

ラッセルの「幸福論」つながりで、自宅にあったこの「幸福論」を読んでみました。まず、八つの章に分かれています。

・マッチ箱の中のロビンソン・クルーソー

・肉体

・演技

・出会い

・性

・偶然

・歴史

・おさらばの周辺部

私にはちょっと難解な部分も多い。佐藤忠男氏の解説などによると「幸福」は「不幸」とどう向き合うかが関わる ことはわかりました。

寺山さんが主宰した劇団は前衛(アングラ)劇団「天井桟敷」。アングラといえば唐十郎主宰の「状況劇場」などがあり、NHK朝ドラ「ちむどんどん」の主役ノブ子の父役が大森南朋で、麿赤兒の息子。麿は「状況劇場」出身。で、ネットで麿と寺山は何か関係があるかなどネットで調べてみた。戦後一時代を風靡した前衛舞台にしばし思いをはせてみました。


2022年8月5日金曜日

本 幸福論(バーナード・ラッセル)

 幸福論(バーナード・ラッセル 堀秀彦訳/角川文庫)


放置された本がまだ実家に何百冊?ひょっとすると1000冊以上あります。そのなかから今回ラッセルの「幸福論」を読んでみました。バートランド・ラッセル(1872-1970)はイギリス生まれ。数学者、哲学者、科学者、無神論者。1950年ノーベル文学賞受賞。科学の進歩がめざましい中で多くの主張や理論を発表し、多くの著書を残しました。「幸福論」が書かれたのは1930年代、第2次世界大戦への道を突き進む西欧。難解な本かと思いましたが、堀さんの訳がわかりやすく読み終わりました。それにしても、60歳を過ぎて幸福論とはこれいかに。記憶に残るところを書きだします。(一部は堀さんの解説から)

・人は権力で動く

・酒は一時的に人間を錯乱状態にする

・計算された愛情は受け取る人によって愛情とは感じない

・成功しているという感情は、収入が成功の尺度だから

・幸福の正体はわからない。わかるのは不幸のほう。不幸の種(恐怖、嫉み、罪の意識、自己憐憫、自己賞賛)を一つずつ取り追い出す。その上で知的好奇心が呼び起こされ、我を忘れることができれば幸福。

・多くの人にとっての一定の事物:食物、住居、健康、愛情、仕事の成功、自分自身の仲間たちの尊敬

・青春を過ぎたものが幸福であるためには子供を通してのみ可能

・昔ながらの宗教の代わりに確実に証明された事実に対してのみ注意を集中せしめる

・幸福な人間は客観的な人、自己中心的でなく、情熱・興味が外側に向かって動く

・「結婚と道徳」という著書では、一夫一婦婚は人間を不幸にする。性の経験なしに結婚はよくない

著者の主張は断定的な部分も多く現代には当てはまらないと思うところもあり、中には極論もありますが約100年前の著書とは思えぬほど言い当てていて参考になると思いました。

この歳になると、目が悪くなったり、気力がわかないなどで本を読めなくなる日も近いと思うと、時間があれば読んでみようという気になります。今後役に立ちそうな気もしてきました。歳をとると記憶力も落ちてといいますが、何しろ若いとき記憶(特に歴史と外国語、と人の名前)が苦手だったので、はたして記憶力が落ちたのかわかりません。ボーッとしている暇はないですね。



浅草の1日

  4月19日に、私が2020年に卒業した東京国際仏教塾の本年度の開校式と閉校式が行われ、記念講演を拝聴するために上京しました。 講演が終わり、久しぶりに同窓生と懇親会。浅草へ。 待ち合わせの雷門下、観光客でごった返し。浅草寺にお参り、熱心にお参りする外国人観光客。 合流して私が...