菊池市から県道133号を北へ。竜門ダムを過ぎて、鳳来の集落から車一台がやっと通る山道を上ると、鳳儀山聖護寺がある。
聖護寺は、1338年に菊池武重が大智禅師を招いて建立、開山した曹洞宗の古寺。以前は海外から多くの修行僧を受け入れていた全国でも有名な禅寺である。電気が通じたのが数年前というからまさに奥山の修業場。寺には30人ほど坐禅を組める僧堂があり、毎月第2日曜日には坐禅会が行われている。
11月14日久しぶりに参加させていただいた。10時過ぎ寺に到着。まず本尊様に合掌。お布施を供える。参加者はすでに僧堂で坐禅に入っている。道元禅師像がある中央は閉ざされていていたので、その外に設けられた坐位で組む。12時前に午前の坐禅が終了。方丈様の奥様が作られた精進料理を食事五観の偈を唱え静かに頂く。今回の参加者は県内外から7名。遠くは長崎、福岡から。毎月参加の常連の方もおられる。食事の後はしばし歓談。
午後1時から僧堂やその周りを清掃作務。その後、普観坐禅儀を唱え坐禅に入る。2時過ぎ本日の坐禅が終了。
お寺のすぐ近くを清流が流れ、周りには広葉樹が多く、紅葉もあと数日で見ごろという自然に包まれ、静かに坐禅を組むには恵まれた環境。そこまで行くのはという方は、熊本市川尻の大慈禅寺の坐禅会をお勧めする。こちらは毎月第3日曜日10時~12時。
坐禅は、無心になることで日ごろの悩みなどから心が解放されリフレッシュできるという。私の場合は、ただ息を吸う吐くの呼吸の秒数をずっと数えているだけ。吸うが10秒、吐くが30秒ぐらい。一定にはならず、吐くが20秒、40秒になることも。無心とは言い難いが、坐禅をするようになって肩こりがなくなった。ランニングやラジオ体操も毎日しているし坐禅だけのお陰とも言えないが、身心脱落して日ごろの雑事から解き放たれる。坐禅は月に1~2回。読経は毎日朝約1時間。般若心経、修証義、大悲心陀羅尼などを曜日を変えて唱えている。CDを聞きながら木魚とリンを叩きながら唱えていると、いろいろと忘れていることを思い出したりアイデアが思い浮かんだり・・・。それってお勤めになっていないのではと最初は思ったりしたが、仏様やご先祖が私にお恵み下さるものと理解してありがたく頂戴し活用させていただいている。
定年退職してはや3年。仏教にかかわる時間が増えた。仕事をしていて等閑にしていたことを今始めている。
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