★世界を旅するコーヒー辞典(川島良彰著/マイナビ)
私はタイのチェンマイにタイマッサージの修行に時々行くのですが、街の中にカフェが多くあって、若者や外国人旅行者で賑わっています。いろんなカフェに行って飲んでみると甘みがあり大抵美味しい。値段はチェンマイの物価から比べてちょっと高い。ドイインタノンという山巡りのツアーに参加した時に立ち寄ったコーヒー農園で美味しい珈琲を飲みました。チェンマイにカフェがなぜ多いのか気になっていましたが、アヘン栽培からの転作とは聞いていました。もっと詳しく知りたかったのですが、この本を読んで詳しくわかりました。1970年代にタイの王妃が麻薬撲滅運動のひとつとしてミャンマーとラオスとの国境にあるアヘンの栽培地〈魔の三角地帯〉で栽培している山岳少数民族にコーヒーへの転作を推奨したからだそうです。これからコーヒーの2050年問題というのがあって、地球温暖化がコーヒー栽培にも影響を与えていて,栽培地が半減すると言われています。生産量1位のブラジルや2位のベトナム等は大きな影響を受けるのではないでしょうか。暑さに強い品種改良などが進められています。タイチェンマイ周辺は1000mを超える高地の栽培が多いので低地より影響は少ないかもしれませんが、小規模農家が中心なので心配もあります。コーヒーや米の価格高騰が問題になった今年2025年でしたが、適正な価格はいくらか?いい作物を作るため、無くさないためにはお金が必要です。あらためて考えさせられます。
コーヒーの飲料メーカーに勤め、研究機関と関係も深い著者が世界中のコーヒー栽培地を巡り各国の状況を興味深くデータも加えてルポしていて珈琲が好きな私にとって知識が深まりとても為になる本でした。
★図説コーヒー(UCCコーヒー博物館著/河出書房新社)



0 件のコメント:
コメントを投稿