●死への準備(山寺邦道/パレード)
山寺邦道氏は私が在家得度したときの曹洞宗導師・中野東禅老師の東京国際仏教塾の教え子で私の先輩でもあります。自衛隊幹部を退職したのち出家得度してこの本をまとまられました。
曹洞宗の檀家として、在家得度者として、また一般人として、この本は役立つと思います。1部2部構成で、1部は「死への準備」、2部は「僧侶の任務」について述べられています。1部のテーマについては、立花隆氏、五木寛之氏、養老孟司氏らの臨死体験や死生観、死後の世界などをテーマにした著書も参考に山寺氏の考えがまとめられています。2部は戒名や葬儀等のお経について書いてあり、仏道を歩む私にとっても参考になる内容になっています。ただし、著者は曹洞宗のお坊さんなので他の宗派についても書いてありますが物足りないかもしれないので他の著書などを参考にしてください。
法事や葬儀などで聞く機会があるお経は難解に感じ意味を知る機会も一般人にはほとんどないと思いますが、実は2500年前のお釈迦様の物語であったり、その後引き継いだお坊さんたちがまとめた戒律であったり、内容を知ると子供のころに聞いた昔話や童話の元の場合もあり、解説書を読んだり法話を聞いたりするとお経も案外身近になると思います。有名な般若心経は私にとってもいまだ難解なお経。でも内容は世の中は諸行無常でいろいろな条件がかかわって今があり、それは常に変化する。だから最初から運命も決まっているわけでなく自分の努力や行動で変化するというようなことです。曹洞宗はすべてが修行、食事も寝ることも修行。死への準備というと大げさですが、断捨離やエンディングノートを書くことも準備ですが、たとえば仏道を励む目的を持って生きることも一つの死への準備のように考えます。
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