2022年7月4日月曜日

本 金融緩和のもとでの国債リスク(柴崎健)

 金融緩和のもとでの国債リスク(柴崎健/中央経済社)

ファイナンシャルプランナーの仲間に、「日本の国債多量発行がどんな影響や問題があるか知りたいので、講師を呼んで勉強会をしてほしいと思う」と話したのがきっかけで、その日に熊本県立図書館に関連の本を探しに行きました。



よくわかりました。難しいところもありましたが全般は一般人でもわかる内容で、2014年1月発行の図書なので少し古いのですが、2012年12月に成立した第2次阿部内閣のアベノミクスについても書いてあります。著者は一橋大学出身で元大手銀行マン、証券マンです。

知りたかったのは、国債多量発行についてですが、本には、そのこと以外も中世以降の金融の歴史、国債を発行する政府と紙幣を発行する中央銀行の関係と仕組み、抱えることになったリスク、将来の金融・財政の取り組みなどが幅広く書いてあります。

読んでわかったこと気づいたこと考えたことは、

・現在国債は政府が発行し民間金融機関(銀行)などが買い上げ、その後日銀が新たに発行した紙幣で買い取っている。

・政府と日銀の国債発行の目的は市場にお金が増えることでインフレーションを起こし金利を程よく上昇させ(目標は2%程度)景気をよくし税収を増やし、国債残高を減らす。

・日本は債務のGDP比が他国に比べて格段に高い(2倍以上)。それでも危機的状況にないのは、国に1兆ドルを超える外貨預金(中国に次ぎ世界2位)があり、国債発行のベースになっている国民の預金があるから。しかし、金利が急上昇したり、国民が多量に預金を引き出そうとしたら日本の金融システム・財政は崩壊する。

・金兌換紙幣であったドルはニクソンショックで不換紙幣となった。その後は通貨に対する信認で発行されている。

・景気悪化、停滞での金融緩和、国債発行などのかじ取りは簡単ではない。しかし歴史は繰り返している(産業革命、戦争、ネットバブル、サブプライムなどがきっかけで景気が悪化してもこれまでは)。好景気→景気過熱→バブル崩壊→景気後退→金融危機→金融財政政策→景気持ち直し→好景気


本がきっかけでネットで調べてみたことは

・日銀が購入していたETFは2021年から急激に減少している。→今後の株価への影響は?

・日本の国債発行額は、2020年、2021年は大幅増。コロナの影響?2022年は?

・対ドル円安が進行している。1998年につけた145円を目指すのか。輸出企業にはプラスだが食料や原材料の輸入には打撃。消費者物価が大幅にアップする。


結論は、国債の仕組みや発行の目的は本を読んでわかるようになりました。コロナやウクライナ危機、温暖化も世界が繰り返す浮き沈みの歴史だと考えれば何とか乗り越えることもできるはず。ただし手遅れや間違った選択や対応をすればその代償は大きくなり取返しもつかないことにもなる。今のうちに国債残高も減らせるように次世代に問題を繰り延べしないようにしたい。そうすれば明るい未来も見えてくる気がしました。黒田総裁はこの円安を待っていたのか?それにしても長かった。今後の政府日銀に目が離せません。

0 件のコメント:

コメントを投稿

足ツボマッサージ

 今年の6月に、足ツボマッサージ棒とツボ押しの2点セットをネットで購入しました。送料別で600円ぐらいで、送料が安いところで買いました。 ツボ押しの道具 足ツボマッサージの1日レッスンを熊本で受けたのが購入のきっかけですが、なかなかこれが良い。マッサージを受けるにしても、練習する...