8月19日から21日まで、神奈川県南足柄市の大雄山最乗寺の夏期禅学会に参加しました。
小田原から大雄山線で20分。大雄山駅からバスで10分山を登ります。山の中腹、広大な森の中に最乗寺があります。600年の歴史がある曹洞宗の寺。
禅寺にはめずらしく毎朝祈祷が行われています。
大雄山を守護するのは道了尊者。修験行者でありその姿はまるで天狗のよう。霊験が極めて高いと信じられ、地元のみならず全国から道了尊者のご利益を求め多くの信者が集まるところです。
朝昼夕の合計10時間に及ぶ坐禅、只管打坐。ヒグラシの声と共に始まり、日中はミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ。夕方からはまたヒグラシの声と共に終わります。
今回50名ほどが最乗寺夏期禅学会に参加。私は東京国際仏教塾出身者として同窓生と共に参加しました。会の最年少は12歳。最高齢は80歳ぐらい?ほとんど坐禅の経験はあり。坐禅が組めない方は椅子の使用も可能。坐禅堂もありましたが、人数が多いためか本堂で本尊釈迦如来に見守られての坐禅でした。
坐禅や講義、作務に励んでいると楽しみは食事です。食事の作法には厳しいのが禅寺。応量器という特別な食器を使い、お経を唱えて食事の準備を整えます。食事中は無言、ひたすら食べ物を口に運びます。食べるスピードは上位の僧に合わせる。早すぎてもいけないし遅すぎてもいけない。食事の最後は、たくわん1枚を残し、白湯(お茶の場合もあり)に浸して器を拭い、手ぬぐいで水気を拭き取ります。
食事は精進料理。私は以前から興味があって、以前には静岡の禅寺・可睡斎の精進料理教室に参加したこともありました。そのとき典座さんに教わったのは、「アクは味であり取らなくてもよろしい」。そのとき以来、汚れを除く以外はあまりアクをとらなくなくなりました。最乗寺でいただいたお汁も煮物もすごくうまみが出ていて美味しい。料理を出していただいた女性の方々に伺いました。出しは何を使われていますか?「年配のお坊様から出しはいただきます。すごく厚くて大きな昆布です」。典座さんが自ら出しを取られているようでした。
ふと、タイに行ったときを思い出します。お寺のお坊様は托鉢をしてご飯を市中でいただいて帰ります。お寺ではご飯を作らないのでしょうか。タイでは辛くて酸っぱいごはんなのでしょうか。チェンマイの有名な料理店で朝お粥を食べていると、お坊さんたちが数人の信者?に連れられてやってきました。これもタンブン(布施)なのでしょう。熊本にタイのお坊さんが来たときも、タイ料理屋さんにお連れしたらお店のオーナーがお坊さんに料理を振る舞いました。私たちも一緒にごちそうになりました。タイのお坊さんは俗世を絶ってお金も財産も持たずにお寺に入ります。タイの子供たちは一時期徴兵のようにお寺で修行します。お坊さんによっては、高級カメラなど持っていますが裕福な信者さんからのお布施のようです。
話は大分それましたが、有意義な2泊3日の坐禅修行でした。
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