本 癒やす力をさぐる(遠藤次郎・中村輝子・マリアサキム共著/農文協)
タイマッサージの本を熊本県立図書館で探していて見つけました。
この本は薬剤側からアジアとヨーロッパの伝統医学を説いた本なのでマッサージに関する本ではないのですが、「癒す~」とタイトルにあったので何か関連した情報があるのかなと思い借りてきました。
一部ですがツボや経絡に関する表記もありました。
「経絡」は近代医学の神経や血管・リンパ管に相当するが、解剖学的には証明されていない。
「経脈」は足底から「地の気」、頭の先や手の指から「天の気」を導入し、この運動を呼吸により行う。この気が通る通路を「経脈」という。
「ツボ」は井戸のようなもので、外界と体内が交流する垂直型の通路。井戸の底にある「精」を汲み上げて、そこに外界の「気」を吹き込み、「精気」として体内を巡らせる。
とありました。
鎌倉時代から室町時代にかけて、仏教の五輪塔が砕けて人の身体の各部の器官に展開するという「五輪砕」の思想があり、それを表す絵巻の中で、脊椎の椎骨の数カ所から神経のようなものが出ており、それが臓器につながる絵がありました。これは、血管か、神経か、リンパか?この古い時代から脊椎と各内臓が何かでつながりがあることが知られていたとは。ただ、この本で紹介する日本や影響を受けた中国の伝統医学の書物にはなぜか脳があらわされていません。中国伝統医学では五臓に脳は含まれず「脳ー脊髄」の中枢論が無いと書かれています。
この本は専門的内容も多いのですが、自然治癒力や天然の薬剤・製薬、医学の歴史やルーツなどに興味があれば面白く読める本だと思います。
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