2023年6月24日から北海道に行った目的の一つが、まだ見ぬ蝶・ウスバキチョウに出会うことでした。マニアックな話になりますが、小学生から高校性の間に阿蘇を中心に蝶の採集をしていました。北海道にしかいない蝶はその頃からの憧れで、特にヨーロッパやヒマラヤなど一部の高山にしか生息していないアポロ蝶と呼ばれる仲間で唯一日本に生息しているウスバキチョウに一生のうち一度は会いたいと思っていました。60歳を過ぎた今、その目的を果たさないと一生出会うことはない。じっとしていることができず友人を頼って北海道行きを決めました。ウスバキチョウは大雪山のコマクサ平が有名で、コマクサの花を食草とするためその生息地は極めて限定的です。たまたま友人を訪ねたときに、彼の友人でツアーガイドが職業のMさんに出会い、大雪山の現地に同行してもらうことになりました。
6月26日快晴、コマクサ平まで途中、雪渓をいくつか越えるところがあるため、アイゼンを熊本から持参。登り口の銀仙台まで車で上り、そこから歩いて2時間。途中、九州では見ることがない高山植物にも出会い、食事中のエゾシマリスも目の前で見ながら、コマクサ平に到着。コマクサの花はちょうど咲き始めたところ。ウスバキチョウも羽化したてのようで、きれいな羽を広げて草原を飛び回っていました。多くの蝶マニアがすでにウスバキチョウを撮影中で、なかなか静止しないので、飛んでいる蝶を一眼レフカメラで撮影していました。私がスマホで撮影しようとしているのを見て、マニアの方に苦笑されました。もちろん、私は撮影は不可能でした。彼が撮影した画像を見せてもらいましたが、飛翔中のウスバキチョウが見事に写されていました。ウスバキチョウは国の天然記念物に指定されており、他に大雪山系に生息するダイセツタカネヒカゲ、アサヒヒョウモンも国の天然記念物似指定されています。この日は運良く、アサヒヒョウモンとクモマベニヒカゲらしき個体を近くで見ることもできました。
その日層雲峡に泊まり、翌日の帰り道、大雪森のミュージアム隣の駐車場で、街路樹に群れる蝶を発見。これも初めて見るエゾシロチョウの大群でした。木の名前はわからないのですが、木の幹のあちこちにさなぎがぎっしり。以前は幼虫の毛虫がわんさか木についていたのでしょうから、さなぎから羽化したての時期に遭遇したのは幸いでした。
この旅で一度に初対面の蝶たちにいくつも出会えたのは本当に幸運でした。案内してくれた友人に感謝です。熊本でも、阿蘇の貴重な蝶たちが数が少なくなっており保護しなければ絶滅に至る状況です。なにかできることはないか、考え中です。
コマクサ平で咲いたばかりのコマクサの花
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