2025年3月6日木曜日

脳動脈瘤日記14  退院日3月3日

 3月1日に撮影した私の造影CT検査結果をK医師に報告いただきました。

未破裂脳動脈瘤の下部をクリップ(青)が挟んでいます。

K先生の説明によると、瘤(こぶ)の根元を強くクリップすると血液の流れを妨げてしまう場合があるので、あえて少し緩く締めているとのこと。毎年定期的に検査をして見ていきましょうとのことでした。刃先から根元まで2cmほどあります。簡単に手術当日を振り返ると、2月20日入院翌日が手術。8:30 まずシャワーを浴びて頭を洗い、前開きのパジャマを着て、手術室に入室。9:30ごろには手術ベッドに仰向けになり、全身麻酔。あっという間に眠ってしまいました。15時ぐらいには妹に先生から報告が入ったそラインにラインに額に15センチほどのホッチキスで留められた15cmの切り口。後でわかったのですが、頭の裏にも直線で4カ所にドリルで開けて止めたような後が。全身麻酔なのでどういう状態かわかりませんが、激しく動こうとする人も居るので裏側も固定するとのこと。体温が一時28度以上になりました。ご飯は朝昼夕とも米が主食で1600カロリー。塩分1日6g、最初はご飯が半分も食べられず、26日には朝は冷凍食パン、夜はうどんかソーメンに替えてもらいました。これで27日に多床室に移ったときは食欲が上がっていました。


2月28日、3月1日の2日間で頭の縫い止めのホッチキスをはずし、1日1時間ほどのリハビリ。最後は3月3日ひな祭りの昼食後に退院することにしました。K先生と看護婦さんに見送られてタクシーでまず水前寺の実家へ。大きい荷物を置いて、かかりつけの石原伊牟田医院へ。様子を報告し、日常の食料買い込みへスーパーに。この後疲れが出ていて、3日の夜は多少食べたものの、4~5日は1食しか食べれませんでした。

今後4月12日~14日今年最初の宿泊ゲストが入っています。今後は様子を見ながら今年から手伝っていただく女性たちと準備しながら民泊とタイマッサージも勧めていこうと思います。お楽しみに。

★入院中に思いついて役に立ったこと。

・食事は皆さん好き嫌いがあるので、順調に治していくために主食(ご飯や麺など)やおかずの堅相談して相談して調整してもらいましょう。

・患者は高齢も多いので、夜中もしょっちゅう廊下を通ったりします。薄手の紙パンツは便利です。

・入院後半は砂糖無しブラックコーヒーを院内のコンビニから毎日買いました。反対されないのなら相談して1~2杯ブラックならば飲めるかもしれません。お菓子はカロリー計算がわからなくなるのでNGでした。

・私の病室があるところは脳外科の患者さんでした。いろいろお話を聞くことも出来ました。思ったより治りが早っかたり遅かったりいろいろおられるので気を遣いながら話をしました。

入院中はできるだけ早期回復させることが大事だと思います。私が実家に戻ったときは誰も居なかったので寒くても食事は自作。病院は作ってくれるし部屋が暖かいのが1番。

次の検査は、4月上旬の予定。その前に治療費の支払いに来週済生会に伺う予定です。

2025年3月2日日曜日

脳動脈瘤日記13 退院後の予定

 今日は3月3日ひなまつり(月曜日)、退院予定日。

10日以上ははじめての不慣れな入院だったので、退院してからの予定がノートにびっしり。

・もともと民泊の冬休み中だったのでOGA亭の春のオープンの準備

・八王寺の中古住宅の改築と活用計画

・タイマッサージの国内研修の計画

・ハーブマッサージと薬草・野草の学習

・FP関係や坐禅の活動

など。特に手術をしなければ1〜2月にタイ古式マッサージのレッスンでタイ・チェンマイに行っていたはずでしたが、急遽国内での研修に変更。その流れでチェンマイに行く前にまだ数回県外の講習に参加予定です。

タイマッサージにますます興味が湧いてくるのが、自分の健康維持です。今回のような病気をして手術すると、慣れた先生でも患者は1つとして同じではないし、これからどんなことが起こるかわからない。開頭手術後も私はすでに一部の頭蓋骨の変形が見られるし、傷口から細菌が入らないとも限らない。オペした部位の周辺の繊細なところに傷がないとも限らない・・・。

これは定年過ぎてから始めたタイマッサージの勉強に課題が与えられたと思っています。若かったら全般を学んだ上でその上に得意を積み上げる。しかし60過ぎて後が短いとなると余裕がない。ならば自分の貴重な体験をタイマッサージを通して見る。そうすると他には経験ができない研究ができるのではないか。タイ・チェンマイの土地と人、タイマッサージ、タイフード、仏教の暮らしこれらも貴重な反応をするかもしれない。開頭手術経験者も安心するタイヘッドマッサージ師なんていたら紹介してもらいたい。今から一人でワクワクしています。後は若いみなさんも力をお貸しください。一緒に楽しみましょう。

脳動脈瘤日記12 入院中の薬とリハビリ

 まずは頭の痛み止めの薬。

・カロナール(毎食後)

・ロキソニン(頓服)

術後の痛み止めは最初カロナールが支給されましたが、効きが弱い深夜などにロキソニンをもらいました。痛み止め薬は最低でも4時間以上間を空けるように言われました。

頭痛は、調子がいい時は飲むのをやめたりしたので、その後に痛みが増したり、また飲むとしばらく痛みがおさまったりの繰り返しでした。痛みの出どころは、脳の中心部ではなく、開頭手術した頭蓋骨の上下の筋肉や表皮、また髄膜あたりの神経がある部分ではないでしょうか。頭蓋骨表面に水が溜まり膨らんで腫れていると特に痛みを感じます。0から10まで痛みの強さを聞かれますが、私の場合最大は術後麻酔が切れた時が8、日ごろは1〜5ぐらいで4~5で痛め止めをもらっています。胃が荒れるのを感じる時は胃薬も一緒に飲むといいと思います。

手術直後はリハビリはできない状態でしたが、多床室に移ってからは頭の痛みが少ない時は、1時間程度病院内を歩いたり休憩室でストレッチしていました。

術後直ぐは朦朧として食事もできず、食べたかどうかも覚えていない最初の食事は術後2日目の22日の朝でした。その後もとくにご飯が進まず、パンや麺に変更できないか相談して25日朝からパン、夜からソーメンかうどんに変更してもらいました。これで食事の量も改善し体力もついていったと思います。ちなみに退院日の体重は53キロに戻ってきていました。

手術前後の造影CT検査では、造影剤を使います。

・イオロメン

・イオパミドール

10分ほどで検査は終わるのですが、造影剤が血管を通して体内に入ると口や全身の血管がカッとします。造影CTの最初からイオロメンを使っていたのですが、4、5回使っているうちに熱さやむかつきが強くなってきたので、退院前の造影CTではイオロメンからイオパミドールに変更しました。熱くは感じましたが、むかつきはありませんでした。人によって症状は異なるようです。

入院前から使用していた降圧剤は、テルミサルタンとトコフェロール。入院中も退院後も変更せずに飲む予定です。

2025年3月1日土曜日

脳動脈瘤日記11 入院中の日常・朝昼夕食

 頭の手術をしても日常とあまり変わらないのが、食事。ありがたいことに、食事は取れるのです。カロリーや柔らかさの調整はありますが、以前とほぼ変わらず。強いてあげれば夕食に晩酌がない。当たり前か。手術後26日からは、体力が落ち食欲がなくご飯が重かったので、朝はパン、夜はうどんかソーメンに変えてもらい改善。手術後に54キロから一度52キロ台に落ちた体重ももう直ぐ53キロに回服です。

入院時からの写真をアラカルト。

1日(3食)のカロリー:エネルギー1600kcal、タンパク質60g、脂質45g、炭水化物240g、食塩6g



この日からご飯を朝はパン、夕食はうどんかソーメンにへんこうしてもらいました




















院内ローソンで私が買えたもの。飲食できるのは、コーヒーとミネラルウォーター。いずれも担当ドクターの了解すみです。菓子類はNGです。 

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脳動脈瘤日記10 手術後 

 手術後個室に戻った2月21日以来食事の配膳、血圧・体温・酸素飽和度測定、配薬、洗面や排便の手伝い、リハビリなどは看護師さんや介護士さんが毎日24時間面倒を見てくれます。退院までの間にも造影CT検査があります。不精な私も本日2日までにシャワーを3回浴びました。

手術直後は体温が38℃を1日超えましたがその後は37℃前後で、2月26日に多床室に戻ってからは36℃半ばが続いています。血圧も下が60~80と上が100〜120 です。排便はほぼ毎日あります。傷口留めのホッチキスもM先生に昨日と今日で取り除いてもらいました。

明日はいよいよ退院予定日です。

2月19日手術日前日。

2月25日。20日の手術日から5日が経ちますが痛みや食欲は一進一退。26日以降食事の変更や頭痛薬の調整も加えて改善します。

2月26日

2月26日

頭の傷口に包帯を巻いてもらいますが毎晩寝ている間に解けてしまいます

反転撮影なので逆になっていますが私の右側の額に20センチ切開跡があります。切開した側の顔がしばらく腫れると聞いていましたが、あまり気なりませんでした。3月1日・2日に先生に傷口の医療用ホッチキスを除去してもらいました。

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脳動脈瘤日記9 手術日

 2月20日木曜、未破裂脳動脈瘤のクリッピング・開頭手術の当日朝。8:30の手術開始に合わせて、覚悟を決める余裕もないまま、淡々と準備が進みます。

「早く出血を止めて!」「この痛みを何とかして!」ではなくて

「何の痛みもないのに」「破裂すると大変だから」手術をする。だと開頭までする踏ん切りがつかない。だから、「早くまたタイにマッサージを習いに行きたい。そのためには破裂する不安を除きたい」気持ち一本で手術に臨みます。

手術担当医と十分に話し合ったか? いいえ。でも痛みもないし・・・こんな病気は、多分、おそらく・・を続けていっても100パーセント納得にはいかないでしょう。「俺に任しとけ!」の一言でしょう。それも「ほんとに〜?」でまた堂々巡りに!!??

さて、手術は予定された通りでもあるのですが、全身麻酔はあっという間に体に行き渡り、私の記憶では術後に一瞬目覚めたようですがまたすぐ眠ったようです。手術直後の15時にスマホに手術担当のM先生から無事終了ですと妹が連絡いただいたそうです。

20日の手術と術後に1泊した集中治療室のことは覚えていません。20日は手術室に入る前に小便を出してシャワーを浴びて患部を清潔にします。その後ベットでも用が足せるように尿管を入れて、食べれるなら食事を始めて、22日には尿管を抜き、一般病棟に戻ります。済生会熊本の場合は、個室の1日が①9130円、②16500円、③33000円の3タイプ。もし3月1日に宿泊した場合、1日、2日の2日分に個室料が求められます。多床室のご希望はしっかり担当医や看護師さんにお伝えください。私の場合、集中治療室以外は多床室希望でしたが、21〜26日の6日間は病院都合で個室になりました。ただ25日までは食事も細く痛みも結構あったので個室で良かったかもしれません。シャワーは25日の午後に個室に移りました。


夕食(煮込みハンバーグ、肉と白菜炒め、ソーメンなど)

朝食(茄子煮浸し、大根サラダ、パン、牛乳)

食事はそれぞれ基本があって、私の場合8時、12時、18時の1日3食、1日1600カロリー、塩分6g/食、主食は白米。手術直後は食欲がなく、半食、時には食べられない事もありました。何か食べやすいものに変えてもらえないかと相談。朝のパン、夕食はうどんかソーメンに変えられることがわかり、変えてもらった25日以来食欲も徐々に戻り完食できるようになりました。飲み物は、水は推奨。コーヒーは先生に確認してOK。菓子類は他の食事とのバランスあるので入院中はNG。

日用品のレンタルや下着などは家から持参。紙オムツなど消耗品は都度必要な時に購入。持参依頼のバスタオルなどは汚れて捨てても良いように中古のもの。多少室はテレビと冷蔵庫は有料なので代わりに院内のコンビニと販売機を冷蔵庫がわりに。冊子は1月27日の説明の際にもらい軽く目を通して、入院してから都度対応しました。

脳動脈瘤日記8 入院初日

 2月19日、済生会熊本病院に入院しました。

・脳動脈瘤ってどんな病気?

・痛く無いらしいのに何で見つかったの?8

・ほっといて脳内の動脈にできた瘤(こぶ)が破れたら4割が死ぬってほんと?

皆さんからいろいろ質問いただきました。質問にお答えしながら体力見ながら報告していこうと思います。

本日19日午前中はバタバタで昼食は結局取れずじまい。

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13:30受付で手続き。以前手術の説明の日は私一人だったので、本日は妹と妻に立ち会ってもらいました。特に私の病気は自覚症状や外傷もないので家族はあまり状況を理解していなかったかも。ロビーで入院の説明書や未破裂脳動脈瘤の資料をもとに解説がありました。(そこでようやく理解した感じです。) まず病棟担当の看護師さんの説明。その後は、担当の先生が不在だったので以前定期的な検査を担当してもらったH先生に代わりに症状や観察の経過など家族に説明してもらいました。その後、麻酔担当の先生から説明と聞き取り、手術担当の看護師さんから簡単な説明と聞き取りがあり、次に口の中や体がカッと一瞬熱くなる造影剤を入れてのCT検査。もう慣れたとはいえちょっと・・・。造影剤は尿となり排出されます。今16時半、昼食抜きでお腹が空いていたのですが18時の病院食のみにとのことで我慢。夕方には手術担当の先生も様子を見に来てくださいました。

気になっていたのが、頭の中の動脈瘤に血が入らないように止めるクリップ。色んな種類があり、結構な大きさ。事前にネットで調べると、日本人が開発したものもあります。先生によれば、私の瘤の直径が5.7mmなので使用するのは刃先1cmぐらいの杉田式だろうとのこと。全長だと2cm近いので術後脳や血管などに触れたりして痛みや支障がないのか伺うと無いとのこと。そのまま頭の中にずっとあるそう。実はクリップ見た事もなく、2cmちかくもあって、金属で・・・。見てみたいとも伝えたのですが、頭の中に半ば半永久的にいてもらわなくてはならないものなので安全のためにNG。まあそうかもとも予想していたので、事前に医学文献を調べて載っていたものを有料で購入していました。

これは私に使用する予定の杉田式クリップ。

クリップは約100年の歴史があり、日本式のものも多い。素材は最初は
銀クリップ→ステンレス→コバルト→チタンと移ってきました。現在はセラミック製などもあります。チタンは電磁波の影響を受けにくく、MRIでも使用可能です。

30分ごとぐらいに救急車のサイレンが。たまにはドクターヘリが飛んでくることもあるらしい。ここはエマージェンシー・救命救急センターがある病院。

18時に夕食。鶏の唐揚げ2個ピーマン炒め添え、炒り豆腐、ごはん、オレンジ合計1800カロリー、塩分7g。味が薄〜い。頭の病気だから高血圧が敵、だから塩分少なめ。いかに日頃塩分をとっているか分かります。

いよいよ明日は手術。朝8時半からの予定。

脳動脈瘤日記7 タイマッサージ

 昨年からタイ古式マッサージを習っています。タイにも3回ほど行って、基礎や木槌で行うトークセンの施術など習ってきました。タイ古式マッサージは古くからタイに伝わる施術で、創始者はシワカ・コマラパ師、お釈迦様の主治医だった人だと言われています。今から約2,500年前のことで、インドの人がタイまでやってきて教えたとは考えにくいのですが、インドには、瞑想、ヨガやインド伝統医療などが古くからあるので、ルーツはインドにあるといえます。

タイマッサージを始めるときはまずシワカ師に手を合わせて(ワイと言います)挨拶をして、マントラを唱えてから施術に入ります。施術前に、受ける人の名前や既往症、現在具合が悪いところなどを聞きます。施術では妊婦には施術を行わないなど細かい決め事があります。タイマッサージは、ストレッチ式で、痛いイメージもありますが、それはいろいろあるタイ式の内の一部で、大きく分けてまず2つ、宮廷マッサージと庶民のマッサージ。町中で受けられるのは庶民のマサージです。腕や手、時には足を使って施術を行う基本的なものから、フットマッサージ、足裏マッサージ、フェイスマッサージ、ハーブボールマッサージ、木槌と杭を使ったトークセン、ナイフのようなものを使ったカッサなど多数の施術法があります。

私がタイのチェンマイで教えてもらったのは、基礎とトークセンです。昨年の秋からトークセンの施術100人目指して行っており、今35人目です。それなりには上達していると思います。今年2月に未破裂脳動脈瘤の手術を行うことになりました。昨年関わることになったタイマッサージと脳動脈瘤、何か関連があるか考えてみるのですが、まず、脳の手術は侵襲もあり軽いものではないので、予後の体調もしばらく後遺症が続く場合もあるようです。そのリハビリ方法の一つとなりそうです。

 術後のことはまだわかりませんが、引き続きタイマッサージと関わりながらこれから進むべき道を探ろうと思います。

脳動脈瘤日記6 罹患した芸能人・知人

 ネットで探すと経験したことがある芸能人が結構います。

DJ.COOさん(開頭・クリップ)

ロザンナさん(開頭・クリップ)

戸田恵子さん(開頭・クリップ)

中村獅童さん(開頭 破裂出血あり)

新田恵利さん(カテーテル・コイル)

安田大サーカス クロちゃん(カテーテル・コイル)

開頭・クリップ手術は、頭の骨を開いて、動脈にある患部をクリップで留める方法

カテーテル・コイル手術は、太股や脇の付け根の動脈からカテーテルを挿入して、細いコイルを患部に詰め込んで患部に血液が入らないようにする方法

それぞれにメリット・デメリットがあり、症状にあった手術を選択します。彼らのコメントを見てみると、何の症状もないが、頭のCTかMRI検査を勧められて未破裂脳動脈瘤が見つかったという人や、経過観察中に患部が大きくなったので手術した人や、破裂目前で手遅れになる一歩手前だったという人も。また獅童さんのように症状があり脳内で出血していた人も。

私の周りの知人にも聞くと罹患した人が何人かいて、Aさん(93歳)は、親兄弟が脳動脈瘤があったので20年ほど前に検査をして見つかったのでコイルの手術をして日常は痛みなどはないとのこと。Iさん(66歳)は、3mmの瘤が見つかり経過観察中。動脈瘤とは別に事故で頭を強打して脳が腫れたので頭蓋骨を切開したという人も。

100人中1人が未破裂脳動脈瘤があるという統計もあり珍しくはない病気。多くの人は未破裂動脈瘤がありながら気づかずに亡くなるのですが、運悪く罹患して破裂させないために脳ドッグやCT、MRI検査を受けて、もし動脈瘤があってもくも膜下出血に至らないように未然の対策としての手術が必要のようです。まずは脳の検査ですね。

脳動脈瘤日記5 クリップとコイルの歴史

 未破裂脳動脈瘤の手術は、大きく分けて頭の頭蓋骨を切開して患部の動脈瘤(ふくらみ)をクリップで留めて血流が入らなくするクリッピング術と、足や腕の付け根の動脈から細いカテーテルを挿入し、細いコイルを患部に挿入して埋めて血流が入らなくするコイル塞栓術があります。2つを比べるとコイルの方が侵襲が少なくより新しい手術のように思われます。現在はコイルの手術の方が増えているようです。

2020年の脳動脈瘤の治療件数は、日本脳神経外科学会の資料によるとコイルもクリップもほぼ同じ1.5万件、合計3万件。日本人で何%の人が手術しているか計算すると、50代〜70代に手術が集中したとして、1.2億人✕人口の3割=3,600万人なので、3万人✕20年=60万人が手術したとします。60万人÷3,600万人=1.6%。100人中1.6人が手術している計算です。ちなみに心臓ペースメーカーの手術は年間5万件と言われています。参考まで。

クリッピング術は1938年に初めて手術が行われ、90年近い歴史があります。頭蓋骨を開く手術と言えば、古代ヨーロッパやアフリカで1万年以上前に穿頭術がすでに行われており、中米のインカ帝国で多数の穴が空いた頭蓋骨が見つかっていることがよく知られています。占によるものと言われたりしますが、戦闘による傷で割れた頭蓋骨の治療の為とも言われています。それは痛かったと思いますが、南米原産のコカの葉(コカインの原料)が麻酔として使われていたという説もあり、その後治癒し生存していた証拠も残っているそうです。

コイル塞栓術は比較的新しく1970年代に始まり、1990年代には安全性が高い手術として広まりました。頭を切開するクリップより体にかかる負担が少なくこちらの手術を選択される場合も多いようです。

それぞれメリット・デメリットがあると聞いていますが、私の場合は動脈瘤の形がコイルの手術を行った場合にコイルが患部で安定しない可能性がありクリップを選択することになりました。

クリップの歴史を見てみると、数多くの種類があり、日本人が開発したスギタ式、セガワ式などもあります。最初はステンレス製だったのですが、鉄が反応するMRI検査ではクリップが吸い付けられて移動して血管などを傷つける場合があるとのことで、今はMRI検査が受けられるチタン製が開発され使われているそうです。さて、私の場合はどのようなコイルが使用されるのでしょうか?


脳動脈瘤日記14  退院日3月3日

 3月1日に撮影した私の造影CT検査結果をK医師に報告いただきました。 未破裂脳動脈瘤の下部をクリップ(青)が挟んでいます。 K先生の説明によると、瘤(こぶ)の根元を強くクリップすると血液の流れを妨げてしまう場合があるので、あえて少し緩く締めているとのこと。毎年定期的に検査をして...